牧師室だより№63
1975年の会堂献堂から47年経ち、大きなメンテナンスがところどころ必要になってきた教会堂です。今度は、教会の象徴であるベルタワーのてっぺんの十字架が劣化し、少し傾いているように見えます。高い所につけられているものですから、万一落下して、人に被害が出るなどということがないように、直ぐに、対応する必要があります。ベルタワーは少し奥まったところにありますから、万一落下しても大嵐でもない限り、屋上か、教会の敷地内に落ちると思われます。実はこの傾きを見つけたのは、教会員を送迎してくださるご家族です。意識して見ようとしなければ、気付かないだろう程度の傾きです。しかし、それに気付いてくださったということは、車の中でご家族を待っている間、十字架をじっと見つめておられたということではないかと想像いたします。十字架をじっとじっと見つめておられた。子どものPTAや、他教派の教会員とお話しする機会があるとき、皆さん意外と、元町教会の存在に気付いていないということがわかってきました。3軒隣のアイスクリーム屋さん、近くの雑貨屋さんには、よく出入りしている。東警察署のことも良く知っている。けれども、その間に教会堂があるとは知らなかったと何度も聞かされました。美しい建物なのに、新幹線から見える鐘楼があるのに、47年経って、まだ多くの人に存在すら知られていないというのは、残念なことです。けれどもまた、私たちが知らない所で、その目立たない十字架をじっと見つめている人がいたということに、心動かされます。決して派手な活動ではなくても、十字架を掲げた建物が、ここに存在し、そこでは十字架の言葉が変わることなく語られ続けて来たということは、どれほど大切なことであるかと思わされます。「わたしはあなたがたの間で、イエス・キリスト、それも十字架につけられたキリスト以外、何も知るまいと心に決めていたからです」(Ⅰコリント2:2)と、語ったパウロの言葉を思い起こします。献堂から47年経ち、少し傾いた十字架を直すに当り、改めて、十字架中心、キリスト集中の信仰を私たち金沢元町教会の信仰とさせて頂きたいと願います。
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