牧師室だよりNo.77

  2023.5.21

 新しい式順の後半「感謝」と「派遣」の二つの部分を一緒にご紹介します。

「感謝」の項目は、献金、感謝の祈り、とりなしの祈り、主の祈り、頌栄という要素から成ります。

 新しい項目として、”とりなしの祈り”が目に留まります。しかし、今まで司式者の祈りの中で同時に祈られていた悔い改め、聖霊の照明の求め、とりなしの三つの祈るべき事柄から、一つを後半に移しただけです。

 献金当番が捧げる献身の祈りに引き続き、献身者とされた教会の祭司的祈りをここで捧げます。とりなしの祈りでは、困難の中にある仲間を覚えて祈りますが、それだけでなく、日本、世界を覚えて、大きく広がる祈りをすることが大切です。そして、このとりなしと一続きに、声をそろえて主の祈りを祈ります。

 主の祈りは、今まで、式順の前の方で祈ってきましたが、「われら」という祈りの主語を重んじ、ここに移しました。この変更によって、私たちのとりなしの祈りに何よりも、主イエスの声が重なっていることを覚えることができればと思います。またいくら祈っても祈り足りないとりなしの祈りが、主の祈りに集束される形と理解しても良いと思います。

 最後の「派遣」の項目では、今まで”祝祷”としていた部分を式順案に照らして”祝福”に変えました。

これは、ベネディクトゥスと呼ばれる長い歴史を持つ祈りですが、祝福を祈り求めるというよりも、単純に祝福するという意図を持つものです。つまり、聴かれるかどうかわからない祈りではなく、礼拝の最後にしっかりと祝福を受けて、世に派遣されていくのです。

礼拝最後の祝福(祝祷)の言葉は、牧師だけが担当するという多くの教会の慣例は(本当に牧師しかしてはいけないのか議論の余地のあるものですが)、これがただの祈りではなく、祝福そのものであるという理解に基づくものだと考えられます。

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