牧師室だよりNo.74

2323.4.23

コロナ対策で行われてきた短縮礼拝の終了と共に、これからは全国連合長老会「主の日の礼拝式順」をベースにした新しい礼拝式順を用いて、主の日の礼拝を献げて参ります。この式文の大きな特徴は、式順の各要素を五つの見出しの中に位置づけていることです。それによって、礼拝が神様と私たちとの間に進行していくダイナミックな出来事であることが、意識されています。先週、お知らせしました通り、各部分をそれぞれご紹介していきます。

 

今回は、「神の招き」という冒頭部分をご紹介します。この部分は、二つの要素から成り立っています。「招きのことば」と、「賛美」です。

 

神殿の至聖所の垂れ幕のような前奏をくぐり、静かに会堂に身を置く私たちに、最初に神の招きの言葉が語りかけられます。礼拝の最初に、私たちの祈りでも、賛美でもなく、私たちを礼拝へと招かれる神の言葉が語られるということが、大切なことです。それは、礼拝は神さまが招いてくださらなければ、始まらないということを意味しています。鐘を鳴らしたり、手を叩いて、神さまの注意を向けようというのとは異なる礼拝理解がここにあります。私たちが神様を礼拝の場に呼び出すのではなく、神さまが私たちを礼拝に招かれるのです。招きの言葉で読まれる聖書箇所は、具体的には、詩編や旧約の預言書から選ばれた、神さまが私たちを礼拝に招いておられる御言葉です。

 

続いて、賛美が歌われます。これは、招きの言葉に答える応答の賛美です。三位一体の神様を讃える歌、恵みの権威を歌う歌など、礼拝の姿勢を真っ直ぐに整える賛美が選ばれます。この部分で詩編に基づく賛美をすることは、特に望ましいことです。神様の招きの言葉に応じる賛美を、聖書の言葉で行うのです。それは、私たちの応答もまた、神の恵みによって備えられているということを明らかにすることです。詩編交読をするならば、そのふさわしい位置も、ここになります。詩編交読とは、本当は曲の付けられた詩編で賛美したいところを、日本語の詩編歌が少ないので、代わりに詩編を交読することによって、神を賛美するのです。しかし、讃美歌21には、詩編歌が以前よりも多く採用されているので、詩編交読の代わりに、ここで詩編歌を積極的に歌っていきたいと思います。

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