牧師室だよりNo.72

2023.4.2

 二週連続で、牧師室だよりを書きます。

 コロナ禍の間、礼拝時間を短縮してきました。礼拝において欠くべからず要素は何であるのか?ということを考えながら、コロナ捕囚スタイルの暫定的な形を整えてきました。しかし、ようやく座席数、式順を含めて、元の状態に戻すことを本格的に検討する時期がやってきたと感じています。

 けれども、オンラインでの礼拝配信や、祈祷会の継続など、むしろ、この時を通して、豊かにされた部分は、奉仕者が与えられるならば、このまま継続していくことを願っています。同じように、短縮した礼拝も、ただ、以前の式順に戻すのではなく、これを機に、よりふさわしい形に整えて行きたいと願っています。

 以前まで使用していた式順は、1959年初版発行の『日本基督教団口語式文』に掲載されている三つの式順案の内の「礼拝順序Ⅰ」を参考にしているものです。この式順は、明治初期の宣教師たちが、その当時の趨勢であった礼拝式簡略化の流行に即して紹介したものであり、現在の礼拝学的視点からは課題のあるものだと、その始めから言われてきました。

 日本基督教団もまた、この検討課題を受けて、過去に「式文(試用版)」(2006年)を発行し、そこで、教会の長い歴史と神学的にもう少し整えられた式順案を提案したこともありました。ただし、式順に関して、各教会に任せるというのが、これまでもこれからも変わらぬ教団の基本線です。そのため、この試用版の存在を知らないままの教会も多くあるでしょう。

 そのような中で、私たちの所属する連合長老会もまた、礼拝式順を重要な検討課題とし、2005年から、改革長老教会にふさわしい式順のガイドラインを示そうと研究が進められてきました。そして、数年前に、「『主の日の礼拝』の指針」というガイドライン、それに基づく「『主の日の礼拝』式文」を全国会議で可決しました。

 この連長の式文もまた強制されるものではなく、モデルですが、これまでの口語式文の欠けを補い、礼拝式の諸要素を歴史的に、神学的に整えた提案となっています。この式順モデルを収録した『全国連合長老会 式文』が、昨年の10月に発行されました。教会図書にも入っています。短縮した礼拝を通常の長さに戻そうとするこの時こそ、良いタイミングだと思います。

 長老会で検討した上で、この式文に基づく、また、より私たちにふさわしい形での礼拝式順によって、ポストコロナ、ウィズコロナの礼拝生活へと歩み出せればと願っています。もちろん、これもまた決定版ではなく、暫定的なものです。なぜなら、変わらない主と私たちの愛の関係を味わい、感謝を表し、この方に讃美を捧げる形は、どんなに多種多様豊かなものであっても、豊か過ぎるということはないからです。

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